陶芸徒然帳〜雑記

2009年11月

赤茶盌の焼成 5-2009/11/28
赤茶盌がどのような色を呈するかは、
黄土の他に、釉薬に含まれる硅砂が
大きく影響します。
陶芸材料店で買い求めることの出来る硅砂は
ほとんど純白に近い粉です。

初期、楽茶盌が焼かれていた頃には
このように純良な硅砂を入手することは
ほとんど不可能であったと思われます。
不純物を含み、
黄色実を帯びた硅砂を使うことによって
深い味わいのものが焼かれたと
私は考えています。

焼き物屋の使う用語で、
硅砂の事を「日の岡」と呼んでいるのですが、
これは京都市山科区にある地名です。
ここでは昔から良質の砥石を産しました。
日の岡砥石は不純物を多く含む硅石であり、
成型の為に削り落とした粉が、「との粉」です。
これを焼き物屋が原料として用いた時、
「日の岡」と呼んでいたと考えられます。

私自身も硅砂の代わりに
何種類かの「との粉」を用いて
試し焼きをしてみました。
溶融点が少し上るものもありましたが、
その分しっかりと焼きこめば
良い結果が得られました。
どのような「との粉」をどの程度配合するか
まだまだ試してみる余地はあると考えています。

赤茶盌の焼成 4-2009/11/20
良質の黄土は、昔、
染料に用いられたといわれています。

しかし、化学染料が
用いられるようになってからは、
黄土はほとんど生産されなくなりました。
そして良質の黄土が、
地下に眠ったままになり、
入手が困難になってしまいました。

ある時期、
中国黄土が輸入されるようになり、
非常に美しい赤色に焼きあがる黄土が、
入手できるようになりました。
ただ、赤すぎて
茶盌に合わないこともあり、
白い粘土と混ぜて色調節をすると、
丁度良い色に焼きあがりました。

個展を終えて-2009/11/10
11月6日から8日までの個展を無事終えました。
西宮ガーデンズ阪急百貨店という、
初めての会場だったのですが、
私自身の修行時代
十年余りを過ごした西宮北口は
とても懐かしいかったです。

昭和五十年代の西宮北口は
商店街や市場が街の中心で
駅から西宮球場へと続く道沿いには
多くの居酒屋が立ち並んで居ました。
その西宮球場が
現在の西宮ガーデンズとなっています。
すっかり変わった街並みの中に
看板だけは昔のものを用いた店を見つけ、
タイムスリップしたように感じました。

そして、何年もお会いしていない方たちにも
会場にお越しいただき、
私にとって、とても嬉しい催しとなりました。
無事個展を終えることができましたことを
この場を借りて、
改めて御礼申し上げます。
あいがとうございました。

赤茶盌の焼成 3-2009/11/03
化粧掛けに用いる黄土の色は
焼き上がりの茶盌の色に
大きく影響するのですが、
どのような色に焼き上るかは
焼いてみないとわかりません。

私自身の経験では、
茶色っぽいものや
赤っぽいものよりも、
その名の通り黄色っぽいものが
最も美しい赤色に
焼きあがると思います。

ただ注意しないといけないことは
黄色い黄土は焼きあがった後、
釉薬がめくれることが
比較的多くあるということです。
生地の土と釉薬の間に
黄土の層があることになるのですが、
この黄土が焼いてもしまらない
(粘土部分が少なく、砂を多く含む)
ものの場合、
生地、黄土、釉薬が
一体になることを阻んでしまいます。

焼きあがった直後に
既に釉薬の貫入部分が
浮き上がっていたり、
指で押すとミシミシと
音がするようなことがあります。
ここまで極端でないものは、
使っているうちに
徐々に釉薬が浮いて
剥がれてしまうこともあります。

このため、新しい黄土を使うときには、
必ず試し焼きが必要です。
少し乱暴ですが、
茶盌表面にガムテープを貼って、
一気にはがしても大丈夫なら、
安心です。

赤茶盌の焼成 712/25
赤茶盌の焼成 612/09
赤茶盌の焼成 511/28
赤茶盌の焼成 411/20
個展を終えて11/10
赤茶盌の焼成 311/03
からす瓜10/30
赤茶盌の焼成 210/23
赤茶盌の焼成 110/14
窯場風景 1709/28
黒茶盌の焼成 3609/12
窯場風景 1609/04
窯場風景 1508/30
窯場風景 1408/17
窯場風景 1308/07
黒茶盌の焼成 3507/31
黒茶盌の焼成 3407/11
黒茶盌の焼成 3307/05
黒茶盌の焼成 3206/29
釜場風景 1206/16
黒茶盌の焼成 3106/13
黒茶盌の焼成 3006/10
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黒茶盌の焼成 2805/29
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窯場風景 1105/22
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食籠のこと05/12
黒茶盌の焼成 2605/06
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黒茶盌の焼成 2003/23
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黒茶盌の焼成 1703/09
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黒茶盌の焼成 1602/27
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黒茶盌の焼成 1502/16
黒茶盌の焼成 1402/09
窯場風景 202/06
窯場風景02/02
黒茶盌の焼成 1301/30
黒茶盌の焼成 1201/26
黒茶盌の焼成 1101/23
黒茶盌の焼成 1001/17
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