陶芸徒然帳〜雑記2009年9月窯場風景 17-2009/09/28 秋のこの頃、 田んぼの畦には 燃え立つように真紅の 彼岸花が咲いています。 春の桜の背景には 山の緑が似合い、 夏のひまわりには 青空が似合います。 秋の彼岸花には やはり稲穂がその美しさを さらに引き立てていると思います。 根に毒があるため、 触ってはいけないとか、 別名に幽霊花と呼ばれたり、 何故かよくないイメージが 植えつけられる事もあるのですが、 田んぼの畦に映える美しさは 秋の風物詩として 私たちの目を楽しませてくれます。 黒茶盌の焼成 36-2009/09/12 秀吉は利休に命じて、 数多くの茶室を造らせました。 利休はその都度、 秀吉の想像を超える 創意と工夫に満ちた 茶室を造りました。 それは、 秀吉に茶頭として仕える 立場上の責任というより、 天下一の茶人としての挑戦であり、 茶の湯によって 秀吉をうちのめそうとしているかのような 命がけのものでした。 そんな、秀吉との心のせめぎあいとは 全く別のところで、 黒茶盌は生み出されたと思います。 無の状態から 沸き出ずるようにして現れた 理想の世界を 具体化したものが 黒茶盌の中にあります。 秀吉はこの黒茶盌を嫌いました。 利休の美意識には ことごとく屈服していた秀吉ですが、 黒茶盌だけは、 秀吉の理解を超えて居ました。 というより、 秀吉をも寄せ付けない 利休の世界そのものが あったと思います。 窯場風景 16-2009/09/04 はやくも赤とんぼが飛んできました。 そして、とまったところが 秋冥菊(しゅうめいぎく)の上。 秋が重なっているような風景です。 「冥」という字がはいる 不思議な名前です。 「冥土」「冥界」などというと暗い、 縁起の良くないイメージですが、 「この世の物とは思えない程 可憐で美しい。」 と解釈すれば 違和感は無いと思います。 中国原産のこの花を、 昔の留学僧が日本に持ち帰った と言われていますが、 命がけで海を渡り、 寺院の脇に咲くこの花を見たとき、 まさに天国の花と思ったのかも しれません。 茶花として用いる時は やはりこの「冥」の字を嫌ってか、 通称である「貴船菊」の名で 呼ばれています。 又、最近は 「秋明菊」の字を当てることも 多いようです。 |
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